いつものベトナム北部への出張。
いつものハノイ、ハイフォン間のバス移動。
いつものハイフォンカットビー空港からの帰り便搭乗。
いつもの・・・
いくつもの「いつも」を組み合わせて出張は滞りなく終わる。
はずだった・・・
が、「いつものことだから」と安心し、その安心が過信に変わった頃、
神様は人間に課題を与えてくれるらしい。
ここ何年も通い慣れた道。乗りなれたバス。
特別な緊張感も無く乗ったバスで痛い目にあいました・・・。
(襲われた、盗まれた等、ベトナム人から受けた被害報告では無く、
自身の失敗談でございます・・・)
●ハイフォンまで余裕の爆睡。起きたら辺りは真っ暗
2012年1月、夕方4時頃、
第二タンロン工業団地近くのフォーノーイ交差点(Ngã tư Phố Nối)から
ハイフォン行きのバスに乗りました。
ハノイとハイフォンの間を行き来するバスは、
ここ8年ぐらい、飽きるほどの回数乗ってきていることもあって、
乗り込んだが最後、いつも通り?安心して眠りに落ちました・・・。
もちろんバスに乗ればいつでも寝る!ってほど呑気なわけでもないですが、
この日は仕事を一通り終えた後、
目的地はバス終点のコウザーオバスステーション(Bến Xe Cầu Rào)。
終点まで乗るとわかってるから最後に確実に起こされると思い眠りこけていました。
結果、気づいたらすでに周りは暗くなり、どうもハイフォン市内には入っている様子。
時計も6時ぐらいを指してるし、ハイフォン市街に着いたのは間違いないようだった。
ただ、ハイフォン市街地の道路マップが全部頭にインプットされているわけじゃないので、
どこを走っているのか正確な場所はわかっていなかったんです。
でも、バスはいつもコウザーオバスステーションに着くまでに
市内をぐるぐる大回りしていくことは知っていたので、
今日はちょっと違う道を通ってバスステーションまでいくのかな?
ま、どうせ終点に着くんだからと、デーンと構えて乗り続けてしまったんです。
バスを降りたらそのまま直行する予定にしていたカットビー空港まで、
コウザーオバスステーションからはせいぜい15分程度。
カットビー空港(Sân bay Cát Bi)からの飛行機は夜の7時45分発なので、
30分前の7時15分チェックインでもまだ1時間以上あるし、
ということでこの時はまだ余裕しゃくしゃくでした・・・。
しかし
●市内を大回りにしてるだけにしては時間がかかりすぎだろ?
市内をぐるぐる大回りしていずれいつものバスターミナルに辿りつく。
こう思い込んでいたからこそバスに乗り続けていたのだと思います。
今冷静になって考えると、ハイフォン市街と思われるエリアを走ったあと
明らかに辺りがだんだん寂しく辺鄙になっていくのに
寝起きから20分以上も、深く考えることなくバスに乗り続けていたのは大バカです。
ハイフォンの地方郡?の地名をまったく知らなかったのも深手になった理由の一つで、
真っ暗とは言え、時折現れるお店の看板に書いてある住所を見ては、
これどこだろ?聞いたことないからわからないな、と思うだけ。
あくまで「ハイフォン市」と住所の最後に書いてあるわけですから、
「最後にはコウザーオバスステーションに着くんだ」と信じていた・・・
が、さすがに夜も6時20分ぐらいになって、大きな川の橋を渡り始めた時、
この川の大きさはハイフォン市街の川じゃないな。
このバスはハイフォンより先のどこかへ行くのかも?と
ここまで追い込まれてやっと焦り出す始末。
我ながら、焦りだすのが遅すぎです!
●場所も知らない真っ暗闇へ下車!
川を渡りながらいよいよヤバイと思いスルスルと前の方に行き、
(僕は後ろから2番目の座席でハイフォンを過ぎるまで眠りこけてたんです!)
車掌に「このバスはどこ行きなんだ?」と尋ねるも、
知らない地名を返してくる。
そりゃどこだ?とますますパニくってると向こうから、
「お前どこ行くんだ?」と。
「カットビー空港だよ!このバスはコウザーオ行きじゃなかったの?」
と聞いたとたんに「おい、やばいよ。すぐ降りて反対行きのバスに乗れ!」
とのことでした。
私「で、ここどこ?」
車掌「ここはティエンランー」
私「どこそれ?」
※後から調べて知ったのですが、ここの地名はTiên Lãng。
Huyện Tiên Lãng(ティエンランー郡)はハイフォン市内の郡部です。
こんな会話を聞いていた周りの乗客が
「コイツ中国人だ」
と僕は中国人と断定されてしまったのですが、
今この状況では否定する気にもなりません。
とにかく即刻バスを下りなきゃと思いましたが、辺りは真っ暗。
民家も無いような田んぼの間の道だったので、
少し走って民家と雑貨店だけがある小さな交差点付近まで行って下車。
交差点といっても田んぼのあぜ道に毛が生えたような道との交差点。
真っ暗闇に等しい寂しさ・・・。
かろうじてこの雑貨店に黄色い明かりと3人ほどの人影が。
●神様からの救いの手? 最大のピンチに現れた助っ人2人
反対から来るバスを待とうか、タクシーを呼べるのか?など
頭の中がグルグルシェイクされたままの状態で下車したんです。
こんな錯乱状況は傍から見ても感じ取れたらしく、
何と、頼んだわけではないんですが、
車掌兄ちゃんが一緒にバスを下りてきてくれました。
一緒にタクシーを探してくれるというのです。
どこかへ電話したりしてくれて一生懸命タクシーを呼んでくれてる。
ただ、ハイフォン市街地からはだーいぶ離れてしまったらしく、
タクシーを呼ぼうにも時間がかかるし、来てくれるのか?
来てくれるまでに何分も待つならどっちにしろ間に合わない。
もう時刻は6時30分になろうとしてる。
電話でのタクシー交渉はまとまらなそうな感じだ。
カットビー空港のチェックイン締め切りまであと45分・・・。
結局車掌兄ちゃんは運転手にクラクションで呼び戻され、
去って行ってしまった。仕事だから当たり前ですね。
雑貨店前のバイクにまたがっていたおじさんに
カットビー空港まで連れてってと頼んだが、
ため息とともにクビを振る。
相当な距離があるからなのかな?
さぁて、どうしよう?
と悩んでいたところに、横であまり存在感の無かった兄ちゃんが、
「俺が送ってやるよ!40万ドンな!」と「田んぼのあぜ道」を指差す。
彼が指差す真っ暗闇の向こうにはシビックが見えた!
「40kmあるから40万ドンな」
と、即決で車にありつくことが出来たのはツイてる証拠!
(本当に40kmあるなら40万ドンは安いです・・・)
神様は過信していた僕を落とすところまで落とした後、
きちんと手を差し伸べてくれるというのです!
「さぁ飛ばせ!」
「7時15分かー、ギリギリだな!でもたぶん大丈夫だ」
「おまえ、気づくのが後ちょっとでも遅れたらもうアウトだったよ」
バスで来すぎた道をすっ飛ばして戻ってくれる。
途中赤信号を無視してくれたり、感謝感謝。
ハラハラしながらも、ある交差点まで戻ってきたところで
「ここまで来たらもう安心していいよ!」
と声をかけてくれ、不安で前のめりに乗っていた車でしたが、
ようやくドカッと腰を下ろして胸をなでおろしたのでした。
市街地を通り抜けてカットビー空港に辿りついたのは7時10分頃。
まるでギリギリに間に合うように予めセットアップされていたかのようです。
兄ちゃんにお礼を言ってシビックを降り、ダッシュでチェックインカウンターに
行ったのは言うまでもありません。
無事チェックインし終わってドカーッと疲れを感じ、安心したと同時に、
あっさり一言お礼を言っただけで、別れてしまった救世主の運転手兄ちゃんに
5分ぐらい余裕があったんだからもっと心をこめて丁寧にお礼言えばよかったな。
と反省した次第です。
ティエンランー(Tiên Lãng)のViet(ヴィエット)さん
あの時は助けてくれてありがとう!
バスの車掌兄ちゃんにしても、結局電話でタクシーは呼べなかったけど、
何も知らずに乗り過ごしたアホな乗客の僕を助けようとしてくれたり、
僕が触れ合うベトナムの人達は良い人たちがいーっぱい!
神様のいたずらならぬ取り計らい。
これまでも多くのベトナム人にお世話になり、
支えられてこの国に住まわせてもらっています。
この場を借りてありがとう!!!
●落とし穴はここにあった
神様が最後には助け上げてくれたとは言え、
次回以降同じ過ちを繰り返さないよう、自分の行動を再検証してみます。
今思えば、フォーノーイ交差点でバスに乗る時のこと・・・
最初にやってきたバスには確実に「Hải Phòng」と「Cầu Rào」の看板が
掲げてあったのです。これに乗っていれば今回のような落とし穴に陥ることなく、
コウザーオバスステーションに辿り着いていたことはほぼ間違い無いでしょう。
で、当然最初にやってきたこのバスを止めて、確かに乗り込んだんです。
ただ、乗り込むなり目に飛び込んできた光景は満席・・・。
席をあふれた数名がプラスチックの簡易補助イス?を通路に置いて座ってたため、
即座に反応してこのバスを降りたのでした。
ハノイハイフォン間のバスは頻繁にあるので、
一本やり過ごすぐらい問題は無いはずでした。
乗ってすぐ、バスが走り出す前に下車した僕の目の前に、
すぐ後ろに続いているバスが目に入り、
このバスにも「Hải Phòng」の文字が確かにあったと思うのです。
で、当然のようにそちらに飛び乗っていったのです。
こちらのバスの車内は打って変って空いており、
先行の満員バスを即降りてこっちに乗り移った機転の良さを、
ナーイス選択!と自画自賛してたぐらいです。
今思えば、このバスにハイフォン市内の行き先であるコウザーオ「Cầu Rào」の
文字が掲げてあったかどうかは、大いに疑問。自信がありません。
たぶんコウザーオとは書いて無かったことでしょう。
●バスはいったいどこ行きだったのか?
今回乗ったバスは、色や形などの外見はホアンロンバスなどと同様ながら、
ステッカーで車体や窓やらに「oho」の文字が沢山張られており、
この文字が妙に頭に残ってました。
この「oho」を元に、ネットでバスの正体を確かめて見たところ・・・、
ありました!ありました!
http://xeoho.com/vn/detail.asp?iData=33&show=DV
ohoバスのホームページ
このohoロゴのバスは全てハイフォンの中のティエンランー(Tiên Lãng)行き。
あくまで広域ハイフォンであることに間違いはありません。
ハイフォン市街地を通り抜けた後ティエンランー(Tiên Lãng)に向かうバス路線でした。
ハイフォン市なども、市郊外の人口も増え、
バスの行き先や乗り場もいつのまにか多様化してきています。
ベトナム人でも地元の住民でしかわからないようなマイナーな郊外から
発着するケースも増えているのでしょう。
●ベトナム随一物騒だった? 下車地点のティエンランー(Tiên Lãng)地区
何かこの地名聞いたことがあるなと思って考えていたら、
思い出したのが、一つにはこの場所には温泉施設がある!ということ。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
http://www.vietnamtravel.co/jp/vietnam-overview/religion/item/157-tien-lang-hot-spring.html
以前、ネットでハイフォンのホテル探しをしていた時に
たしかこのティエンランーの温泉施設がヒットした記憶がありました。
で、もう一つには、丁度この地で下車するたった5日前の出来事・・・
なんと、ハイフォン市が強制収用しようとした土地でエビの養殖をしていた男性が、
手製爆弾に散弾銃で武装して、強制執行の機動警察たちを怪我させた事件。
これがたった5日前の1月5日に起こって、
ベトナム全土で社会問題となっていたので、
新聞やらネットやらで大騒ぎになっておりました。
警官隊に怪我させた男性も恐ろしいけど、
強制収用の対象外の土地に住んでいたこの男性の自宅を
強制執行者達がぶち壊してしまったっていうので、
事態が複雑化・・・
結局この事件、ハイフォン市当局の執行した強引な土地収用が
住民の気持ちを逆撫でして招いた事件として中央政府の逆鱗に触れ、
市当局や郡当局の人物が処分される事態に発展したんですが、
手製爆弾や散弾銃とは物騒な・・・。
皆さんも途中下車する際には、十分気をつけてください!
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